兄弟の命運を分けた“あの時の判断”

そうして実家の処分に手をこまねいている間にも、固定資産税は毎年容赦なく徴収されていきます。

今年に入ってから光熱費や食料品などが値上がりしたこともあり、我が家の家計はまさに赤字転落寸前です。家族に「いっそ実家に住まないか?」と提案してみたものの、子供たちの通学には交通の便が悪く、妻もパートを辞めたくないからと現在の賃貸マンションを離れるつもりは一切ないようです。

私は今年で役職定年を迎えます。それに伴い、収入も手取りベースで3割ほどダウンする予定です。このままでは、私たち夫婦の老後のために蓄えておいたわずかばかりの貯蓄を固定資産税のために切り崩していくしか方法はありません。

今や、実家は完全に我が家の“不良債権”と化しました。

実家を私にすんなり引き渡し、自分は母の金融資産2000万円を持っていった弟は、本当にうまくやったよなと思っても、あとの祭りです。8年前のあの時に時計の針を巻き戻せたら……と歯噛みする毎日です。

●生前贈与した財産の行方とは? 続きは【“依存症”妻が不倫、離婚後に元夫は急死…「恐ろしい計画」に絶句】(本サイト記事)で紹介します。

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。