使い込みが発覚、怒号飛び交う修羅場に

さすがの母も訝しく思ったらしく、私と近くの銀行の支店に出向いて残高証明書を取得したところ、とんでもない事実が発覚しました。証明書に記された残高は2500万円。なんと、3000万円近くが消えていたのです。

翌日、母のマンションにきょうだい3人が集まりました。兄嫁は姿を見せませんでした。兄は平身低頭して母にわびました。兄の言い分では、「最初はちょっと借りておくつもりだった」そうです。妹の言った通り、年間500万円近い姪の留学費用、900万円もした甥の挙式費用は全て、母の預金から引き出して支払っていたようです。

それだけではありません。聞けば、兄の自宅の住宅ローンの繰り上げ返済や、兄嫁の実家の法要代にも充てていたというのですから、あきれてものが言えません。激高した妹は「損害賠償を求めて訴える」と叫び、母は「この年になって息子に裏切られるなんて」と号泣。兄はひたすら頭を下げるのみ。私は、そんな3人をなすすべもなく見ているだけでした。

●話は相続問題にまで!? 家族の亀裂はどうなる… 後編へ続く>>

※個人が特定されないよう事例を一部変更、再構成しています。