妻の妊娠を機に義母が毎日やって来るように

交際して1年ほどで結婚という流れになりました。妻の父親は大手商社で部長職を務め、今は定年退職して悠々自適の日々を送っています。専業主婦の義母は同郷の出身で、結婚前は大手航空会社のキャビンアテンダントをしていたという話でした。幸運にも私はそんな義両親のお眼鏡にもかない、良好な関係を築いていたのです。

状況が変わったのは、妻が第1子を妊娠してからでした。妻はつわりがひどく、派遣の仕事を続けるどころか、通常の家事でさえ1人でこなすのはつらそうでした。幸い、コロナ禍で在宅勤務が増えていたので、買い物や食事の支度、掃除、洗濯などできることは手伝うようにしていたのですが、妻は私に家事をさせることに罪悪感を覚えていたようです。そして、ある日突然義母がやって来て、家事や妻の身の回りの世話をするようになったのです。

ありがたいことではありますが、わが家は2LDKの賃貸マンションですから、義母が毎日昼前にやって来て夕方ごろまでいると、何とはなしに落ち着かない気分になります。在宅勤務の日は用がなくても出社したり、レンタルオフィスで仕事をしたりして過ごしました。そこまでならまだ我慢もできたのですが、義母はやがて私たちの生活にもいろいろ口出しするようになりました。「大輔さん、男の人は一国一城の主になってナンボでしょう? もうすぐ子供も生まれることだし、早くマイホームを買わないと」といった具合です。