年金を受給できる年齢になってもまだ働いているため、繰下げ受給を検討する方もいらっしゃることでしょう。しかし、70歳を過ぎてから年金の手続きをしても、繰下げ受給ができず、本来受け取れるはずだった年金が受け取れないことがあります。

「家にいても何もすることがない」71歳近くまで勤務していた男性

篤さん(71歳)は大学卒業後45年以上会社員を続けていました。65歳の時に8歳下の妻・真由子さんを亡くして以来1人で暮らしています。

真由子さんは、結婚するまでの数年間は厚生年金に加入し、結婚後は専業主婦となっていました。その真由子さんを亡くし、「家にいても何もすることがないし、仕事を続けよう」と思い、65歳を過ぎても引き続き会社勤務を続けていました。厚生年金の加入は70歳になって終わりましたが、その後71歳近くまで勤務して退職しました。

年金の手続きはしていなかった

篤さんの場合、65歳からの老齢年金については、老齢基礎年金と老齢厚生年金を受給できることになっていました。ただ在職中より「退職すると時間を持て余すのは目に見えている。退職後の生活で何か始めたり、楽しんだりするためにはお金が必要だし、年金は多いほうがよさそうだ」と思っていました。

「65歳からの年金は繰下げしてできるだけ増やしてから退職後に受け取り始めよう」と考え、繰下げ受給制度(1カ月につき0.7%増額)を活用するつもりでいました。そのため、在職中は老齢基礎年金と老齢厚生年金の手続きをしていませんでした。