煮え切らない態度に苛立つ叔母
従姪は叔母の家を出た時に3歳でしたから、今頃は中学生になっているはずです。従兄弟の奥さんの佑衣さんは沖縄の出身で実家に戻ったと聞いていますが、中学生と言えば教育費が本格化する頃ですから、むしろ、あちらにお金を渡してあげる方がいいのではないかと思いました。彼女は叔母にとって血のつながった唯一の孫でもあります。
そんなためらいがあったせいか、思わず、「叔母ちゃん、お気持ちはすごくうれしいけれど、本当に私でいいの?」という言葉が口を突いて出てしまったのです。
一方、叔母の方は私があっさり承諾するものと思っていたらしく、私の煮え切らない態度に苛立ちを隠せませんでした。
「どうして? 茉莉花は私の娘のようなものじゃない。遠慮しなくていいのよ」
叔母との間に微妙な空気が漂い始めた時、私たちの様子を見ていた稲垣さんが、コホンと小さな咳払いをしました。
「すみません、喉が渇いてしまって。お二人とも一息つきませんか? 私、こちらで美味しい紅茶をいただくのを楽しみにしているんです。入れていただいてもいいかしら?」
我に返った叔母が「そう言えば、お隣からいただいたぴよりんがあって」と腰を上げ、私たちはコーチンの卵を使ったプリンを包んだその愛らしいスイーツに舌鼓を打ちながら、直樹や佑衣さんの思い出話をしたのでした。
