娘が見せた中学受験への意欲
愛莉から見れば、親戚内カーストの最上位にある姉一家に対し、我が家はかなり下の方。そしてそれは姉と私の格差、学力もそうですし、努力の度合い、職業やパートナーの選択などによるところが大きいと考えているフシがあります。
愛莉は4月に5年生になってから、「愛莉も伯母ちゃんと同じ私立に入りたい! 愛莉は中学からお受験したい!」と言い出しました。
愛莉の成績は悪くはないのですが、姉ほどずば抜けて優秀というわけではありません。中学受験する子は4年生になる前から塾に通い始めていますし、愛莉の場合は志望校との偏差値のギャップも大きいので人一倍の努力が必要になることから、私は、中学受験は見送り、姉と同じように高校のタイミングで受験することを勧めました。
しかし、愛莉は「中学から受験しておけば失敗しても高校でまたチャレンジできる。でも、高校に一発勝負で失敗したらもうチャンスはない」と言って聞き入れません。
仕方なく、今は学校生活に影響がないよう、土曜日だけの講座に通わせています。慣れない受験勉強に戸惑ったり、担当の先生から「志望校を変更した方がいい」と言われて凹んだりしているようですが、親から見ても頑張っているなと思います。
老後資金が危うくなるかもしれない
ただ、愛莉の教育費は、私と同じように「高校まで公立、大学だけ私立」を見込んでいましたから、万一、「中学校から私立」となったら大赤字になること必至です。
高校の授業料は無償化の流れですが、私立の場合、寄付金や修学旅行の費用などもそれなりにかかるようですし、それ以前に塾や受験料などお受験の費用もバカになりません。
今は年金以外に老後資金が2000万円必要だそうですから、下手をすると私たち夫婦の老後資金が危うくなるかもしれません。愛莉が姉のように偉くなって私たちを養ってくれるのなら話は別ですが。
愛莉には精神的な豊かさを教えたいと思い、なるべく近くにいながら大切に育ててきたつもりですが、そんな親心はあまり伝わっていなかったようです。
思い通りにならない子育てのこともあって、姉に対してより一層、複雑な思いを抱いてしまうのです。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
