<前編のあらすじ>

新井美佳さん(仮名・35歳)は中学校教師です。夫と小学5年生の娘・愛莉ちゃんと二世帯住宅で両親と同居しています。2歳上の姉は東京大学を卒業してキャリア官僚となり、同じく官僚の夫と都内のタワーマンションで暮らすパワーカップル。

優秀な姉との経済格差を日々思い知らされる新井さんですが、最近ではブランド志向の姉の影響で、愛莉ちゃんがわがままを言うように。年末の姉一家の帰省が頭痛の種になっています。

●前編:【世帯年収2000万円、タワマン住み、愛車はボルボ…パワーカップル姉との格差に悩む35歳教師の葛藤「世の中やっぱりお金なんですかね」】

時間や人手をお金で買う合理主義の姉

公立中学校の家庭科教師の私は、夫と小学生の娘の愛莉の3人家族。埼玉県内の二世帯住宅に60代の私の両親と同居しています。

私には2歳上の姉がいて、学校の成績の良かった姉は、東大を出てキャリア官僚になり、都内で優雅なタワーマンションライフを送っています。

典型的なパワーカップルの姉夫婦とは、世帯年収で倍近い差があります。

同じ親から生まれた姉妹ですし、「子供の頃は愛嬌があって人見知りをしない私の方がちやほやされていたのに」と思ったりもしますが、経済格差はどうしようもありません。

とはいえ、譲れないのは、私の子育てや生き方の価値観が姉の存在によって脅かされていることです。

私は、子供が親の手を必要とする間はなるべく一緒に時間を過ごして、食べる物や着る物は自分の手で作ってやりたいと考えています。一方、姉は日々の業務が忙しいこともあり、時間や人手をお金で買う合理主義に徹しているようです。

しかも、学生時代まではブランド物など全く興味がなさそうだったのに、今はこれみよがしにボッテガ・ヴェネタやグッチのお仕事バッグを持っていたりします。

姉は一人っ子の甥の陸人にもスマートフォンや最新のゲーム機を買い与えていて(プレイ時間は制限しているようですが)、愛莉が「陸ちゃんは持っているのに、どうして愛莉はダメなの?」などとダダをこねるので本当に困ります。