10/13週のポイントは

来週の主な予定をみておきましょう。アメリカではパウエル議長の講演が予定されています。おそらく、今後の金融政策はデータ次第である点に言及するなど、利下げ期待を高める内容とはならないでしょう。また、ウォラー理事も労働市場の悪化を見据えた利下げの必要性に言及しつつも、従来以上に踏み込んだハト派的な発言はきかれないでしょう。

小売売上高に関しては、レッドブックが発表している週次の小売売上高のデータを見る限り、堅調な結果が見込まれます。ただ、消費者物価指数を含め、政府機関閉鎖の影響で実際に発表されるか不透明です。(スライド15)

 

来週のポイントをまとめておきます。今週は、「高市首相」誕生後のインフレを見据え、円安・株高・長期金利上昇の動きが見られました。ただ、公明党の連立政権離脱によって、「高市首相」の誕生が不透明となりました。この為、来週は総裁選後の動きが巻き戻される可能性が高く、円高が警戒されます。

仮に、政権が交代する流れになった場合でも、一定の財政出動が期待されるものの、最大で総裁選前日の147円台までのドル円の下落を想定する必要があります。

一方、高市首相誕生との流れになれば、改めて高市トレードが復活するでしょう。その場合、ドル円は年初の水準である157円台の回復が意識されそうです。その際、日本の当局による円買い介入やアメリカからの円安牽制などに注意を要しますが、円安期待はかなり強いものになると考えられます。

一方、米国では政府機関が再開されたり、利下げ観測が後退する場合、ドルショートの解消が加速すると考えられます。また、市場は既に来年の年末までに4回の利下げを完全に織り込んでおり、ドルはある程度、底堅く推移すると考えられます。(スライド16)

 
 
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