新NISAを利用している人は満足しているのか、不満があるのか。「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会2025年9月発表)から5000人の最新結果について詳しく見ていこう。

過半数が実感! 新NISAの「メリット」ツートップとは?

新NISAを利用して良かったと感じる点について、最も多かった回答は「売買益が非課税であること」(61.8%)。次いで「配当金が非課税であること」が53.6%となっており、新NISAの最大の魅力である非課税というメリットが利用者に高く評価されている。

新NISAを利用してよかったこと

(図表)新NISAを利用してよかったこと
 

※新NISA口座開設者、複数回答

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)
 

これに続くのが「資産が増えたこと」(22.7%)。この結果からは実際に資産形成効果を実感している利用者が一定数いることが分かる。

新NISAを利用してよかったことランキング

1位 売買益が非課税であること 61.8%
2位 配当金が非課税であること 53.6%
3位 資産が増えたこと 22.7%
4位 長期・積立・分散投資によりリスクを抑えつつ投資ができることを知ったこと 16.2%
5位 経済や金融についての知識がついたこと 14.6%
6位 株主優待が得られたこと 14.3%
7位 ライフプランやマネープランについて考えるようになったこと 11.3%
8位 投資が怖いもの・ハードルが高いものではなくなったこと 11.0%
9位 金融機関のサービス 2.9%
10位 その他 0.6%
(※無回答除く)
*新NISA口座開設者、複数回答

出所:個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

そのほか、長期・積立・分散といった投資の基礎知識が得られたという実践的なメリットや株主優待などの実利、あるいは投資が怖くなくなったなど心理面でのメリットも実感しているようだ。

「資産増」を実感している年代は?

調査結果を年代別に見ると、「資産が増えたこと」を良かった点として挙げた割合は30代以下で37.7%と最も高い。年代が上がるにつれて低下しており、70代以上では9.8%にとどまっている。また若い世代ほど「長期・積立・分散投資によりリスクを抑えつつ投資ができることを知ったこと」「経済や金融についての知識がついたこと」といった学習効果を実感している傾向も強い。

同様に「投資が怖いもの・ハードルが高いものではなくなったこと」という回答も30代以下では21.2%と高いが、年代が上がるにつれて低下し、70代以上では3.9%にとどまる。若い世代ほど新NISAを通じて投資に対する意識や知識が前向きに変化しているようだ。

一方、「配当金が非課税であること」は70代以上で61.0%と最も高い。退職後の収入源として配当収入を重視しているのかもしれない。