同じ年収なら金融資産を「何で持つのか」も重要なポイントの一つになる。たとえば定期預金の金利は0.2750%程度が多い(2025年12月7日現在) が、東京証券取引所(プライム市場)に上場する企業の配当金を単純平均した利回りは約2.26%(2025年11月の平均)もあるからだ 。仮に5000万円を1年間運用した場合、利子や配当はそれぞれ額面で約14万円、約113万円 と大きく差がつく。
今回は個人投資家5000人を対象とした調査「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)をもとに、年収700万~1000万円未満にフォーカスして保有状況を見てみよう。
金融商品の保有額(個人)
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
【年収700万~1000万円未満】金融資産の保有額ランキング
1位 1000万~3000万円未満 33.4%
2位 500万~1000万円未満 16.8%
3位 5000万円以上 15.0%
4位 3000万~5000万円未満 11.7%
5位 300万~500万円未満 7.6%
6位 100万~300万円未満 6.6%
7位 50万~100万円未満 4.5%
8位 10万円未満 2.3%
9位 10万~50万円未満 2.0%
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
最初に年収700万~1000万円未満の個人投資家が持つ金融資産額から見ていこう。調査結果によれば、回答率1位は「1000万~3000万円未満」で33.4%。おおむね年収の1~4倍といったところか。しかし2位は「500万~1000万円未満」(16.8%)、3位は「5000万円以上」(15.0%)など、回答が幅広く分布している印象もある。
たとえば同じ年収でも定年が近い人だと今までの貯蓄期間の長さから金融資産も多く積みあがっていそうだが、若い人だとまだ資産形成が始まったばかりだから金融資産も少ないといったように、年齢が影響している面もありそうだ。実際、同じ調査結果では年齢が上がるほど金融資産額も増える傾向が見られる。
平均保有額は約2210万円と、年収1000万円以上(約3300万円)に次いで各年収帯では2番目に高い水準で、全体平均(約1720万円)に比べて500万円程度多かった。
●前編「【投資家・年収500万~700万円未満】金融資産保有額ランキング「100万円未満」VS「5000万円以上」多いのはどっち?」

