年収に関わらずあるところにはある? 金融資産保有額の実態

金融資産をいくら持っているのか。この問いを考えるうえで重要な要素の1つが年収だ。たくさん稼げれば、たくさん貯蓄できるというのは理屈としてはわかりやすい。それでは、年収が少ない人はみな金融資産も少ないのだろうか? なかには家計をやりくりして投資にお金をまわすことで金融資産を大きく増やした個人投資家もいるのでは?

そこで今回は個人投資家5000人を対象とした「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)を参考に、年収300万未満の金融資産保有額をみてみよう。

金融商品の保有額(個人)

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

【年収300万円未満】金融商品の保有額ランキング
1位 1000万~3000万円未満 23.8%
2位 500万~1000万円未満 15.8%
3位 100万~300万円未満 15.2%
4位 300万~500万円未満 12.1%
5位 3000万~5000万円未満 7.7%
6位 5000万円以上 7.0%
6位 50万~100万円未満 7.0%
8位 10万円未満 6.2%
9位 10万~50万円未満 5.4%

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

年収300万円未満の個人投資家は金融資産をいくら持っているのか。調査結果によれば、回答率1位は「1000万~3000万円未満」で23.8%。2位は「500万~1000万円未満」(15.8%)、3位は「100万~300万円未満」(15.2%)と続く。1000万円以上の金融資産を持つ人の割合は4割近くにものぼった 。年収の3倍を超える保有額が回答率で最多という結果を意外に感じる人もいるかもしれない。

実は年収300万円未満といっても年齢層は多様だ。たとえば高齢世代で公的年金だけが収入源の人でも、現役時代は高年収で、その時の貯蓄の積み上げが結果に表れている可能性もある。なお保有額の平均は約1400万円で、全体(約1720万円)に比べると320万円ほど低い水準だった。