同じ年収でもこんなにバラツキがあるの? 金融資産の不思議
収入から生活費を引いて残りは資産運用に。毎月の繰り返しによって金融資産が積みあがっていくわけだが、同じ収入でもひと財産築いた人もいれば、あまり資産運用ができていない人もいる。生活費は人によって違うだろうし、運用期間、さらに個人投資家なら運用方法によっても金融資産額は変わってくるからだ。今回は年収500万~700万円未満を中心に、個人投資家5000人を対象とした調査「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)を使って、金融資産の気になる実態を探ってみよう。
金融商品の保有額(個人)
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
【500万~700万円未満】金融資産の保有額ランキング
1位 1000万~3000万円未満 26.6%
2位 500万~1000万円未満 20.6%
3位 100万~300万円未満 12.3%
4位 5000万円以上 11.5%
5位 300万~500万円未満 10.4%
6位 3000万~5000万円未満 7.8%
7位 50万~100万円未満 4.9%
8位 10万~50万円未満 3.0%
8位 10万円未満 3.0%
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
年収500 万~700万円未満の個人投資家が持つ金融資産額はいくらなのか。調査結果によれば、回答率1位は「1000万~3000万円未満」で26.6%。2位は「500万~1000万円未満」(20.6%)、3位は「100万~300万円未満」(12.3%)と続く。
「100万円未満」が10.9% の一方で、「5000万円以上」が11.5%など、同じ年収でも金融資産額には大きなバラツキがある。たとえば30代と50代では貯蓄期間が異なるように、年齢の要素も大きいのかもしれない。またタイミングよく貯蓄の大半を預貯金に比べて高い利回りが期待できる有価証券に投資して、多額の金融資産を築いた個人投資家もいるのでは?
保有額の平均は約1760万円で、他の年収帯に比べて最も全体平均(約1720万円)に近い水準だった。年収500 万~700万円未満は回答者全体の年収平均(約440万円) に比較的近い水準だ。個人で見るとバラツキが大きくても、年収帯としては平均的な年収=平均的な金融資産額という図式がある程度成り立つのかもしれない。

