同じ収入でも許容できるリスクは人それぞれ
金融資産の中で、そのうち株式や投資信託などの有価証券はどのくらいを占めるのだろうか。
有価証券の保有額(個人)
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
【年収500万~700万円未満】有価証券の保有額ランキング
1位 100万~300万円未満 18.3%
2位 500万~1000万円未満 16.7%
3位 1000万~3000万円未満 15.5%
4位 50万~100万円未満 12.5%
5位 300万~500万円未満 11.1%
6位 5000万円以上 7.6%
6位 10万~50万円未満 7.6%
8位 10万円未満 6.9%
9位 3000万~5000万円未満 3.7%
出所:個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
続いては年収500万~700万円未満の個人投資家が持つ株や投資信託といった有価証券について。金融市場の相場動向によっては現在の価値が投資した金額を下回る恐れもある。リスクをどれだけ許容できるかで、人によって保有額に差がつくかもしれない。
調査結果から回答率1位は「100万~300万円未満」で18.3%。先ほどの金融資産の最多回答は「1000万~3000万円未満」で年収をはるかに超えていたが、有価証券は年収以内に収まっている。2位は「500万~1000万円未満」(16.7%)、3位は「1000万~3000万円未満」(15.5%)と続く。平均保有額は約1140万円で、金融資産と同様に年収帯のなかでは全体平均(約1050万円)に最も近い水準だった。また平均額ベースになるが、金融資産に占める有価証券の割合は約65%で、こちらも2番目に全体平均(約61%)に近い。
ところで、何をきっかけに有価証券に興味を持ったのだろうか。同じ調査で「興味を持ったきっかけ」も聞いているが、他の年収帯に比べて回答率が最も高かったものをいくつか挙げると「投資に関する税制優遇制度(NISA)があることを知った」(43.0%)、「今の収入を増やしたいと思った」(30.7%)、「投資に関する税制優遇制度(確定拠出年金制度)があることを知った」(22.7%) だった。 この年収帯に対する税制優遇制度の影響は大きいといえる。
新NISAも追い風に今後も有価証券の保有額は増える?
年収500万~700万円未満の個人投資家が持つ金融資産と有価証券。最も回答率が高かったのは、それぞれ「1000万~3000万円未満」「100万~300万円未満」だった。また投資に関する税制についてアンテナを張っている人が比較的多い印象だ。
NISA口座で得た投資収益は非課税になるが、新NISAでは、NISA口座で投資できる上限額は生涯で1800万円(成長投資枠だけなら1200万円) もある。節税メリットをフルに享受するなら、有価証券の保有額は今後まだまだ拡大の余地がありそうだ。
●年収が上がると金融資産額も違うのだろうか。後編「【投資家・年収700万~1000万円未満】金融資産保有額ランキング 金融資産を何で持つのかもカギに?」にて詳しく解説する。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人

