やはり最も金額が大きい選択肢を選ぶ人が多かった!

高収入の代名詞の一つに“年収1000万円”がある。国税庁の調査によれば、2024年度の給与所得者のうち年収1000万円超の割合は6.2%に過ぎない。昨今の賃上げなどにより割合は毎年少しずつ増えているとはいえ、まだまだ限られた存在だ。それでは年収1000万円以上の個人投資家は金融資産をいくら保有しているのだろうか。個人投資家5000人を対象とした調査「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)を参考にこの謎に迫ってみよう。

金融商品の保有額(個人)

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

【年収1000万円以上】金融資産の保有額ランキング
1位 5000万円以上 32.5%
2位 1000万~3000万円未満 31.3%
3位 3000万~5000万円未満 15.9%
4位 500万~1000万円未満 7.8%
5位 300万~500万円未満 6.7%
6位 100万~300万円未満 2.3%
7位 50万~100万円未満 1.4%
8位 10万~50万円未満 1.2%
9位 10万円未満 0.9%
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

年収1000万円以上の個人投資家はいくら金融資産を持っているのか。調査結果によれば、回答率1位は「5000万円以上」で32.5%。やはり最も金額が大きい選択肢が回答率でも最多となった。他の年収帯で最も回答率が高いのは「1000万~3000万円未満」だが、年収1000万円以上でも2位に入っている(31.3%)。また3位は「3000万~5000万円未満」(15.9%)がランクイン。1000万円以上の回答が上位を独占し、合計で約8割に達するなど、高年収の期待を裏切らない結果となった。

また平均保有額は約3300万円。2位の年収700万~1000万円(約2210万円)とは1000万円以上の差をつけ、全体平均(約1720万円)の2倍近くに達するなど、規格外の大きさだ。老後に公的年金だけでは多額の資金が不足すると金融庁の報告書で指摘されて話題になった「老後2000万円問題」がある。しかし年収1000万円以上ともなると半数程度は既に金融資産でこの「2000万円」をクリアしている。