実は金融資産の大半は有価証券
金融資産の中で、そのうち株式や投資信託などの有価証券はどのくらいを占めるのだろうか。
有価証券の保有額(個人)
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
【年収1000万円以上】有価証券の保有額ランキング
1位 1000万~3000万円未満 24.9%
2位 5000万円以上 21.2%
3位 100万~300万円未満 12.5%
4位 500万~1000万円未満 11.0%
5位 3000万~5000万円未満 9.9%
6位 300万~500万円未満 7.8%
7位 50万~100万円未満 5.2%
8位 10万~50万円未満 4.6%
9位 10万円未満 2.9%
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
先ほどの金融資産では1000万円以上の回答が上位を独占した年収1000万円以上の個人投資家。それでは株や投資信託といった有価証券ではどうだろうか。調査結果から回答率1位は「1000万~3000万円未満」(24.9%)、2位は「5000万円以上」(21.2%)だった。金融資産と順位は入れ替わっているが、やはりこの2つの選択肢が回答率でツートップを占めた。さらに「5000万円以上」の割合は2位である年収700万~1000万円未満(9.4%)の2倍以上に達している。
一方で3位には「100万~300万円未満」がランクイン。年収からするとかなり少ないが、年収1000万円になりたての若い人なのか、それとも有価証券をあまり持たないポリシーがあるのか、気になる結果だ。
平均保有額は約2310万円。2位の年収700万~1000万円(約1490万円)より800万円程度多く、全体平均(約1050万円)の2倍を超えるなど、金融資産と同様に規格外の大きさだ。
金融資産に占める有価証券の割合で見たらどうだろうか。平均額ベースで見ると約70%で、各年収帯では最も高く、全体平均(約61%)を10ポイント近く上回っている。これだけ有価証券があるということは、他の年収帯に比べて投資に積極的なのだろうか。
同じ調査では1週間のうちに投資にかけている時間も聞いているが、年収1000万円以上が最も多く、平均で約60分だった。また投資の情報源としては、新聞や雑誌の割合が他の年収帯に比べて最も高いなど、情報収集や分析にはこだわりがあるのかもしれない。
圧倒的な回答…でも、投資への向き合い方は参考になるかも
年収1000万円以上の個人投資家が持つ金融資産は「5000万円以上」、有価証券は「1000万~3000万円未満」が最多回答だった。絶対額の多さもさることながら、金融資産に占める有価証券の割合も約70%と各年収帯で最も高い。
また情報収集に時間をかけ、新聞や雑誌といった有料の情報源も活用するなど、積極的に投資に向き合っている傾向が見られた。こうした姿勢は私たちにとっても参考になるのではないだろうか。
●年収帯によって何か特徴はあるのだろうか。後編「【投資家5000人】金融資産保有額ランキング 年収「300万円未満」と「1000万円以上」で差はどのくらいあるのか?」にて詳しく解説する。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人

