年収の何倍の金融資産を持っている?

年収と金融資産。お金の話題ではよく上がるテーマだが、この2つにはどのくらい関係があるのだろうか。年収が高い人のほうが金融資産も多そうだが、平均的な年収でも支出を抑えて余剰資金を投資にまわすことで、年収の何倍もの金融資産を築き上げた個人投資家もいるのではないか。

国税庁の調査によれば日本人の年間平均給与は約480万円 (令和6年分)。今回は個人投資家5000人を対象にした「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会、2025年9月公表)を参考に、世間の平均に近い年収300万~500万円未満に焦点を当てて実態を探っていこう。

金融商品の保有額(個人)

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

【年収300万~500万円未満】金融商品の保有額ランキング
1位 1000万~3000万円未満 24.1%
2位 300万~500万円未満 15.1%
3位 500万~1000万円未満 14.6%
4位 100万~300万円未満 12.9%
5位 3000万~5000万円未満 10.3%
6位 5000万円以上 8.3%
7位 50万~100万円未満 7.1%
8位 10万~50万円未満 4.1%
9位 10万円未満 3.6%

出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成

年収300万~500万円未満の個人投資家が持っている金融資産はいくらなのか。調査結果によれば、回答率1位は「1000万~3000万円未満」で24.1%。仮に年収300万円とすると単純計算で年収のおおよそ3倍~10倍もの金融資産を築き上げたことになる。なぜ1000万円以上のまとまった金融資産があるのだろうか。

理由の1つとして考えられるのはシニア世代の存在だ。公的年金のみが収入源の人ならばどんなに多くても年収は500万円に届かない程度といわれる 。しかし長ければ40年を超える現役時代にある程度の年収があれば、その間に金融資産が積みあがっていてもおかしくない。実際、調査結果でも年齢が上がるにつれて金融資産の保有額も増える傾向がみられた。

他の年収層と比べるとどうだろうか。年収が1000万円未満までは、どの年収層でも保有額で「1000万~3000万円未満」が回答率で最多だが、年収が上がるにつれて割合は上がり、年収700万~1000万円未満では33.4%となった。

●前編【投資家・年収300万円未満】金融資産保有額ランキング 意外にも資産「1000万円以上」保有が4割以上!?