新NISA「不満なし」の一方で、投資先や資産効果に悩む人も
一方、新NISAを利用してよくなかったことについては、「無回答」が27.6%と最も多い結果となった。特に不満を感じていない可能性を示唆している。
新NISAを利用してよくなかったこと
※新NISA口座開設者、複数回答
反面、具体的な不満点を挙げた回答では、「何に投資すればよいか分からなかったこと」が19.4%と最も多かった。次いで「資産が増えなかったこと」(17.7%)となっている。投資先の選定に悩む利用者や期待した運用成果が得られなかった利用者が一定数いることが分かる。
なお年代別に見ると、何に投資すればよいか分からなかったと答えたのは40代で22.5%と最も高く、若い世代ほど投資先選びに悩む傾向があるようだ。一方、資産が増えなかったとの回答は50代から60代前半で20%超と高くなっており、この年代の運用成果への期待が特に大きいことがうかがえる。
新NISAを利用してよくなかったことランキング
1位 無回答 27.6%
2位 何に投資すればよいか分からなかったこと 19.4%
3位 資産が増えなかったこと 17.7%
4位 制度の内容がよく分からなかったこと 10.2%
5位 投資したい商品がなかったこと 9.9%
6位 その他 9.8%
7位 制度が不便だったこと 7.5%
8位 毎月分配型の投資信託を購入できないこと 6.3%
9位 金融機関のサービス 3.1%
※新NISA口座開設者、複数回答
出所:「個人投資家の証券投資に関する意識調査報告書」(日本証券業協会)よりFinasee編集部作成
このように新NISA利用者は全体として投資利益に税金がかからないというメリットを高く評価している一方で、何に投資すればよいか分からないといった課題も抱えている。特に若い世代では新NISAを通じて投資に対する意識が前向きに変化する効果が見られる一方、投資先選びに悩む傾向もうかがえる。
なお、新NISAには制度拡充の動きがある。2026年度の税制改正要望で金融庁は新NISAの商品の拡充を掲げている。具体的にはまだ決まっていないが、欧州の単一指数への連動を目指す商品などが加わる可能性がある。今回の調査で投資したい商品がないなど不満がある人は、今後の動きを注視してみるのもよいだろう。
●新NISA制度が変わる? 後編「NISA制度改正「こどもNISA」に賛成は何割? 一方で「毎月分配型」を望む意外な年代とは<4000人の本音>」にて詳報している。
調査概要 調査名:「個人投資家の証券投資に関する意識調査」 調査主体:日本証券業協会 調査報告書公表:2025年9月 調査実施期間:2025年4月15日~19日 調査対象:日本全国の 18 歳以上の有価証券保有者 5000 人

