世界遺産で有名なあの県が開設率で3位
NISAへの関心が高い都道府県はどこなのか。目安の1つはNISA口座の開設数だろう。今回は「NISA口座の利用状況調査」にある都道府県別の口座開設状況(金融庁、2025年11月公表)に注目。ただし口座数だけを見ると、首都圏など人口が多い地域が突出してしまう。そこで総務省が公表している年齢別・都道府県別の総人口(2024年10月時点)も併せて使用した。NISA口座を開設できるのは18歳以上であるため、それに近い20歳以上の総人口を計算。人口当たりの開設率を算出してランキングを作成してみた。みなさんの出身地や勤務地は何位に入っているのかチェックしてみてほしい。
NISA口座開設率ランキング(47都道府県)1位~20位
1位 東京都 32.4%
2位 神奈川県 30.0%
3位 奈良県 28.8%
4位 兵庫県 28.1%
5位 滋賀県 27.3%
6位 大阪府 26.9%
6位 千葉県 26.9%
8位 愛知県 26.4%
9位 三重県 26.1%
9位 徳島県 26.1%
11位 富山県 26.0%
12位 香川県 25.9%
12位 福岡県 25.9%
14位 福井県 25.7%
15位 埼玉県 25.2%
16位 京都府 24.6%
17位 岡山県 24.5%
17位 鳥取県 24.5%
19位 石川県 24.0%
20位 栃木県 23.7%
※一部の金融機関では基準日時点での都道府県別の口座数を集計できなかった等の要因により、金融庁「NISA口座の利用状況(NISA口座数)」(2025年6月末)と一致しない。
出所:金融庁「NISA口座の利用状況に関する調査(都道府県別のNISA口座開設状況/2025年6月末時点)」、人口推計(総務省発表、2024年10月時点)よりFinasee編集部作成
NISA口座の開設率が高い47都道府県ランキング。まずは1位から20位まで見ていこう。1位は東京都で32.4%。2位との差は2.4ポイントと頭一つ抜けている印象だ。人口が1400万人を超える大都市であり、一般的に所得が高い大企業が集積することも背景の1つにあるのかもしれない。2位は隣の神奈川県で30.0%。こちらも100万都市である横浜市や川崎市を擁し、人口は約920万人と大阪府を抑えて全国2位。都内に通勤する「神奈川都民」も多いことから、東京都に近い結果となっている可能性もありそうだ。
首都圏の大都市が2つ続いたが、3位に入ったのは奈良県(28.8%)。関西圏の都心である大阪府の隣ではあるものの、人口は約130万人で全国27位。法隆寺など世界遺産では有名だが、あまり大都市というイメージはない。4位~6位は兵庫県(28.1%)、滋賀県(27.3%)、大阪府(26.9%)と関西圏が続く。首都圏と違い、関西の場合は都心である大阪府より周辺県の開設率のほうが高い。このように1位~6位までは首都圏・関西圏で占められている。
他の地域はどうだろうか。各地方の最高順位を挙げると、中部地方は愛知県(26.4%)で8位、四国地方は徳島県(26.1%)で9位、九州地方は福岡県(25.9%)で12位、中国地方は鳥取県と岡山県がともに24.5%で同率17位だった。また東北地方や北海道、沖縄県は20位以内には入っていなかった。
