今回は「悪い金利上昇と円安の関係」について解説します。
まず、各通貨ペアの年初来の動きを指数化したチャートで振り返りましょう。今週もスイスフラン円やユーロ円が史上最高値を更新するなど、円安が進みました。また、出遅れていたドル円もようやく年初の水準を回復する場面が見られました(スライド2)。
一方、主要通貨の対ドル変化率をみると、今週は安全資産とされるスイスフランも円と同程度、下落しています。世界的に株式相場が下落する中でのスイスフランの下落は、裏を返せばそれだけドルがかなり強かったことを示しています。今週のドル円の上昇は円安とドル高の両輪によって力強く上昇したことがわかります(スライド3)。
著者情報
内田稔
うちだみのり
高千穂大学 教授/FDAlco 外国為替アナリスト
1993年慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、東京銀行(現、三菱UFJ銀行)入行。マーケット業務を歴任し、2007年より外国為替のリサーチを担当。2011年4月からチーフアナリストとしてハウスビューの策定を統括。J-Money誌(旧ユーロマネー誌日本語版)の東京外国為替市場調査では、2013年より9年連続アナリスト個人ランキング部門第1位。2022年4月より高千穂大学に転じ、国際金融論や専門ゼミを担当。また、株式会社FDAlcoの為替アナリストとして為替市場の調査や分析といった実務を継続する傍らロイターコラム「外国為替フォーラム」、テレビ東京「ニュースモーニングサテライト」、News Picks等でも情報発信中。そのほか公益財団法人国際通貨研究所客員研究員、証券アナリストジャーナル編集委員会委員も兼任。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカルアナリスト協会認定アナリスト、国際公認投資アナリスト、日本金融学会会員、日本ファイナンス学会会員、経済学修士(京都産業大学)
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