投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、SBI証券。

SBI証券の投信販売金額人気(週間)の2026年2月第3週(2月16日~2月20日)のトップは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」だった。第2位は「SBI 日本株4.3ブル」で、第1週にはトップだった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)は第3位に後退し、「SBI・iシェアーズ・ゴールドファンド(為替ヘッジなし)」も第4位に下がった。「iFreeNEXT FANG+インデックス」が第7位に上がり、トップ10圏外から「SBI日本高配当株式(分配)ファンド(年4回決算型)」が第9位に、「楽天日本株4.3倍ブル」が第10位にランクインした。一方で「Tracers NASDAQ100ゴールドプラス」や「三菱UFJ純金ファンド」はトップ10から落ちた。

※SBI証券サイト内「販売金額人気ランキング」に基づき編集部作成。期間は2026/2/16~2026/2/20。
https://www.sbisec.co.jp/ETGate/?OutSide=on&getFlg=on&_ControlID=WPLETmgR001Control&_PageID=WPLETmgR001Mdtl20&_ActionID=DefaultAID&_DataStoreID=DSWPLETmgR001Control&burl=iris_ranking&cat1=market&cat2=ranking&dir=tl1-rnk%7Ctl2-fund%7Ctl3-resrank%7Ctl4-price&file=index.html
 

「ゴールド」に冷水、代わりに「日本株」4.3倍ブル

2026年2月第1週に純金価格が急落したことが純金(ゴールド)関連への投資を慎重にさせているようだ。純金価格は1月29日にNY金先物価格が5354.8ドルの史上最高値を付けた後で急落し、2月2日に4652.6ドルと高値から13.11%安に落ち込んだ。ただ、2月2日を底にゴールド価格は戻り、NY金先物価格は1トロイオンスあたり5000ドルを挟んだもみ合い相場になっている。2月第3週は2月17日に4905ドルから、2月20日には5080ドルとしっかりしていた。やはり、1日で価格が10%以上も下落したというショックが尾を引いている。1月までは急速に盛り上がっていたゴールド関連ファンドへの投資熱は冷水を浴びせられ、今のところ冷めたままになっている。

「ゴールド」に代わって人気化しているのは国内株の「ブル型」ファンドだ。SBIアセットマネジメントが設定する「SBI 日本株4.3ブル」は、国内株式市場の日々の値動きのおおむね4.3倍程度となる投資成果をめざして運用しているファンドだ。国内株の代表的な株価指数である「日経平均株価」は2月10日に5万7650円の史上最高値を付け、2月第3週はやや一服商状だった。「SBI 日本株4.3ブル」の基準価額は2月10日の5万7053円をピークにして2月17日は5万2926円に下落。2月20日にはやや戻して5万3712円になった。この価格調整期にブル型ファンドの購入人気が高まっているのは、多くの投資家が国内株価は再び史上最高値を奪還して上昇するという見方をしているのだろう。

SBI証券が取り扱う国内株のブル型は、農林中金全共連アセットマネジメントの「NZAM・レバレッジ 日本株式2倍ブル」、アセットマネジメントOneの「One 日本株ダブル・ブルファンド2」、楽天投信投資顧問の「楽天日本株トリプル・ブル」など、2倍型、3倍型もあり、「SBI 日本株4.3ブル」や「楽天日本株4.3倍ブル」はもっともレバレッジ比率が高いファンドになる。トップ10には「4.3倍」しかランクインしていないことから、投資家の心理としては今後の日本株の上昇への確信度は非常に高いということが感じ取れる。ただ、レバレッジの比率が大きいほど大きなパフォーマンスが得られるとは限らない。

たとえば、2026年1月末を基準とすると、「SBI 日本株4.3ブル」は過去6カ月では162.81%という目覚ましいリターンを残している。「NZAM・レバレッジ 日本株式2倍ブル」の65.37%、「楽天日本株トリプル・ブル」の105.39%よりもはるかに大きなリターンだ。ところが、過去5年のリターンを比較すると、「NZAM・レバレッジ 日本株式2倍ブル」の242.37%、「楽天日本株トリプル・ブル」の327.98%に対して「SBI 日本株4.3ブル」は295.72%と3倍ブル型に劣る成績になる。売買のタイミングによって得られるリターンが異なるため、ブル型ファンドへの投資で成功を収めるには右肩上がりのトレンドがどこまで続くかの見極めが大きなポイントになる。

一方、2月第3週の値動きをみると、三菱UFJアセットマネジメントが設定する「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は基準価額が2月16日に3万8314円から2月20日には3万8985円へと上昇。「オルカン」も2月16日の3万3370円から20日には3万3956円へと上昇しているため、市場の動きだけでは「オルカン」の順位後退を説明できない。むしろ、主要市場の中で米国株が横ばいのところ、英「FTSE100」が連日の市場最高値更新を記録していたために、「S&P500」より「オルカン」に有利な市場環境といえた。「オルカン」の方が良いパフォーマンスであるにもかかわらず「S&P500」の人気が高かったのは、やはり、米国株についても近いうちに再び史上最高値を更新するという見方をする投資家が多いということだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩