今回のテーマはFOMCの利下げ幅やそのほかの注目点についてです(スライド1)。

 

はじめに今週のドル円相場から振り返っておきましょう。週末、石破首相が辞任を表明した結果、自民党の臨時総裁選が行われることになりました。前回ご案内した通り、為替市場では、自民党総裁選後の財政拡張路線が意識され、円安が進みやすいとしました。

考えられる経路は二つです。一つは悪い金利上昇が円安を招くこと、もう一つは政府が財政刺激策を講じる中、日銀が利上げをやりにくくなり、金融緩和が長期化するとの見通しによって円安が進むことです。その点、週明け8日のマーケットでは株式相場が上昇し、長期金利は横ばいないしは小幅に低下しました。このため、円安の経路は後者だったことになります。

一方、その後は日銀の年内利上げに関する観測報道の影響から一時は高値から2円も近いくも下落する場面がありました。ただ、今週は生産者物価指数や消費者物価指数の発表前後でドルが乱高下したものの、予想を下回った先週の雇用統計の余韻が残っていた割に終わってみればドル円相場はおおむね横ばい圏での推移にとどまりました(スライド 2)。