今回は「FOMCの解釈と日銀の狙い」について解説します。
12月8日週の為替市場では、週半ばにかけて円安が進行し、ドル円相場も157円目前まで上昇しました。これは青森での地震を受けて利上げ観測が後退したためと考えられます。実際、8日時点における日銀の利上げの織り込みは100%を超えており、市場は0.25ポイントを上回る利上げを織り込んでいましたが、翌9日には9割程度まで低下しました。
日銀は、2024年も能登半島沖での地震を受け、1月とみられたマイナス金利解除が3月に先送りされました。市場はそれを連想したと考えられます。一方、週半ば以降はドル指数が低下しており、FOMC後にドル安が進んだことがわかります(スライド2)。
対ドル変化率を見ると今週は多くの通貨がドルに対して上昇しており、ドル安だったことがわかります。また、円はそのドルよりも弱く、今週はドル安と円安だったことがわかります。これはクロス円が上昇するパターンです。強い他通貨と弱い円の格差が広がるためです(スライド3)。
実際、年初を100として指数化したチャートによれば、今週もスウェーデンクローナ円が堅調に推移したほか、ユーロ円やスイスフラン円は依然として史上最高値圏です。ドル円のみ年初の水準にあと1%程度、届いていませんが総じて円安傾向が続いていることがわかります(スライド4)。
