12/12週のポイント
来週はアメリカの雇用統計と日銀の金融政策決定会合が注目されます。なお、ECB理事会では政策金利は据え置かれるでしょう(スライド10)。
来週のポイントです。
FOMC後のドル安は徐々に和らぎ、年末を控えた株高によるリスク選好もドル円を支えそうです。ただ、雇用統計の非農業部門雇用者数がマイナスとなった場合、ドル安となりそうです。日銀については利上げが見込まれていますが、ほぼ織り込み済みであるだけに、追加利上げに対する慎重なスタンスが目立った場合、材料の出尽くし感からドル円は上昇すると考えられます。
ただ、中立金利引き上げが意識されるようなメッセージが出てきた場合のドル円の下落に要注意です。来週は5円ほどの値幅を見ておく必要がありそうです。例えば、雇用統計が予想を上回った上、日銀から追加利上げのヒントや中立金利の議論が出てこなかった場合、ドル円は今週の高値である156円95銭を上抜けして157円台に達する可能性があるでしょう。
一方、雇用統計がマイナスを記録した上、日銀から中立金利引き上げの可能性が示された場合、ドル円は154円台を割り込む可能性もあるからです(スライド11)。
では、最後にアメリカの雇用統計の動きを見ておきましょう。ADP雇用報告によれば11月はマイナスを記録したほか、過去6カ月間で4度のマイナスを記録しています。雇用統計は10月分の未公表が確定しており、来週のデータは9月から1ヵ月空いた11月分です。現在の市場予想が5万人程度の増加を見込んでいるだけにマイナスとなった場合のドル安に要注意です(スライド12)。

