国債の格付けについて

そこで格付けについて解説しておきます。

G7各国の格付けを見ますとフランスは主要3社のすべてからダブルAの最下位の格付けを付与されています。右側にあるリスク掛け目は銀行のルール作りを主導しているバーゼル銀行監督委員会が定める海外のソブリンリスクに対する貸出債権や国債投資に対して適用すべきリスク掛け目です。

これによればトリプルAとダブルAはどちらもリスク掛け目がゼロ、すなわちフランス国債はリスクフリーのアセットですが、仮にシングルAに格下げされた途端にリスク掛け目が20%に上がる為、中にはフランス国債を手放さざるを得ない金融機関も出てくると思われます。現時点ではフランスの財政悪化懸念が周辺国に波及したり、ユーロ相場を明確に下押ししているわけではありませんが、今後のフランスの格付の報道には要注意です(スライド 7)。