今回のマーケットトークのテーマは「高市首相誕生なら円安再起動か?」です。高市首相誕生が濃厚となりました。その際に円安が再び強まる可能性が高いとみられ、その背景について解説します。

今週の為替市場では総じてドルが軟調に推移しました。米中サミットの開催が危ぶまれた上、アメリカの地銀の融資に関する不正疑惑が報じられ、信用不安も警戒されました。また、パウエル議長の発言もややハト派的と受け止められており、米長期金利が4%を割り込んでいます。この為、ドル円は一時150円を割り込みましたが、米中間の緊張が和らぎ、足もとでは150円台半ばまで反発しています。(スライド2)

今週の主要通貨の対ドル変化率をみますと、カナダドル以外はドルに対して上昇しています。市場がリスク回避的となった結果、特にスイスフランや円が上位に位置しています。もっとも、そのスイスフランの上昇率も0.8%程度であり、ドル安の程度も限定的だったと言えます。(スライド3)