為替市場の推移
今週はアメリカの長期金利の低下を受け総じてドルが軟調に推移しました。今週の主要通貨の対ドル変化率を見ますと多くの通貨がドルに対して値上がりしています。ただし、縦軸を見る限り、他通貨の対ドル上昇率は限定的であり、中でも日本円は概ね先週金曜日と横ばい圏で推移したにすぎません。つまり円はドルと同程度に冴えない値動きを辿ったとことになります。
その背景として、依然として実質金利がマイナス圏にとどまっていること、利下げ期待から米国の株式相場が上昇し、VI指数が低下するなどリスク選好の円安が進みやすかったこと、自民党総裁選によって日銀の利上げが遠のくとの見方が広がったことなどが挙げられます。
もっとも、政策金利の先行きを織り込むオーバーナイトインデックススワップ市場(OIS)を見る限り、今週は若干ながらも日銀の利上げの織り込みは進展しています。このことから、為替市場の解釈はそうした動きとやや異なるものと言うことができます(スライド 8)。

また、年初来のドル円やクロス円を指数化したチャートを見ても円は弱い状況です。年初来、円高となっているのはカナダドル円とドル円に限られ、他の通貨ペアは堅調に推移しています(即ち円安)。今週もドルと円がともにさえない中でクロス円は横ばいかじり高に推移しています(スライド 9)。
