iDeCoで節税効果を受けるには、年末調整や確定申告での手続きが必要となる。

しかし「何をどう準備すればいいのか」「どの書類に記入すればいいのか」と悩む方も多いだろう。

本記事では、会社員が行う年末調整と、自営業者やフリーランスが行う確定申告、それぞれの具体的な手続きの方法を解説する。

●前編『「年末調整、確定申告で税負担が軽減」iDeCoの節税効果はいつ実感できる?』

年末調整の具体的な手順とは?

会社員などが行う年末調整について、具体的な手続き方法を見ていこう。年末調整でiDeCoの控除を受けるには、3つのステップを踏む必要がある。

最初のステップは、「小規模企業共済等掛金払込証明書」(控除証明書)を用意することだ。この書類は、iDeCoの掛金を実際に支払ったことを証明するもので、iDeCoの実施機関である国民年金基金連合会から圧着ハガキで郵送される。通常は毎年10月下旬ごろに届くが、年末にiDeCoを開始した場合などは書類の到着が遅くなる可能性がある。

控除証明書の発行後に掛金額などを変更した場合、新たな情報での控除証明書が自動的に再発行される仕組みになっている。もし控除証明書が届かない場合や紛失してしまった場合は、iDeCo口座を開設した金融機関に「小規模企業共済等掛金払込証明書再発行申請書」を提出することで対応できる。

次のステップは、「給与所得者の保険料控除申告書」への記入だ。この書類は、11月から12月ごろの年末調整の時期に勤務先の担当部署から配布される。年末調整で使用する控除申告書にはいくつか種類があるが、iDeCoの掛金を記入するのは「給与所得者の保険料控除申告書」である。

この申告書には、1年間に支払ったiDeCoの掛金額を記入する欄がある。記入する金額は、最初のステップで入手した控除証明書に記載されている金額と同じになるよう注意が必要だ。

最後に、これまでに用意・記入した書類を勤務先に提出しよう。「小規模企業共済等掛金払込証明書」と「給与所得者の保険料控除申告書」を、勤務先で決められている期限までに担当部署に提出すれば、年末調整の手続きは完了する。なおどうしても年末調整の期限に間に合わない場合は、確定申告での対応が必要となる。