確定申告の具体的な手順─時期と方法を押さえる
自営業者やフリーランス、あるいは年末調整で処理できなかった会社員は、確定申告によってiDeCoの節税効果を受けることになる。確定申告を行う時期は年末調整より遅く、通常は翌年2月中旬から3月中旬までの期間だ。
確定申告も年末調整と同様、3つのステップで進める。最初のステップは年末調整と同じく「小規模企業共済等掛金払込証明書」を用意すること。通常は10月下旬ごろに自宅に郵送されてくるが、年末にiDeCoを開始した場合などは1月下旬の到着となることもある。いずれにしても確定申告のシーズンには間に合うため、書類が届いたら大切に保管しておこう。
次のステップは、「確定申告書」への記入だ。確定申告書は税務署の窓口や国税庁の公式サイトで入手できる。書類を入手したら、1年間の収入、経費、控除、所得、税金額などを記入していく。近年は、インターネットを使って確定申告書を入手・記入・送信できるオンラインシステムが普及している。自営業者などの場合、条件を満たせばe-Tax(電子申告)で申告することで、65万円の「青色申告特別控除」の対象となる可能性がある。
確定申告書には「第一表」と「第二表」があり、いずれにもiDeCoについての記入欄がある。控除証明書に記載された金額をもとに、1年間の掛金の合計額を記入する。もしiDeCo以外に「小規模企業共済」にも加入している場合は、第二表にはそれぞれの金額を、第一表には合計額を記入する形となる。
最後のステップは、書類を税務署に提出することだ。「小規模企業共済等掛金払込証明書」、「確定申告書」、本人確認書類(マイナンバーカードなど)の写し、そして会社員の場合は給与所得の源泉徴収票をすべて一緒に提出すれば手続きは完了する。源泉徴収票は、1年間の収入や天引きされた税金額などが記載された書類で、年末調整のあと12月ごろに受け取れる。なおe-Taxを利用する場合は、控除証明書と本人確認書類の写しは省略できる。
まとめ
iDeCoの大きな魅力である節税効果を享受するには、年末調整や確定申告という手続きが不可欠だ。会社員の場合は年末調整で、自営業者やフリーランスの場合は確定申告で、それぞれ適切に手続きを行う必要がある。
所得税は手続き後約1カ月で還付される一方、住民税は翌年6月からの支払額が減少する形で反映される。反映のタイミングや方法は異なるが、いずれも確実に税負担を軽減する効果がある。
会社員等で年末調整の期限に間に合わなかった場合でも、確定申告で対応できる。早めの対応を心がけよう。
