<前編のあらすじ>
歯科医師の村上江美子さん(仮名・55歳)は、35歳のときにネットで知り合った男性と同棲していましたが、性格の不一致やモラハラが原因で別れることに。
しかし、その直後に妊娠が判明します。悩んだ末に相手へは知らせず、一人で娘を育てる決意をしました。両親の支えを受けながら懸命に働き、娘は中高一貫校に通うまでに成長します。
しかし3年前、江美子さんは交通事故にあい、仕事も思うようにできなくなりました。親の介護も重なり、将来への不安を抱える日々が続いていました。
●前編:歯科医師のシングルマザーが隠し続けた17年の秘密…恋人に妊娠を告げなかった理由とその後迎えた“人生の岐路”
娘の父を探すため婚活するものの
悩みに悩んだ江美子さんは、「婚活をして、娘の新しいお父さんを探す」ことを決めました。
自分たちを守ってくれる優しい人、お金もかけてくれる人を探そうと思ったそうです。むしろ、それしか自分たちが生き延びる方法はない! とさえ考えていたのです。そう思って結婚相談所に入会されたのですが、ふと「娘の本当の父親はどうしているのだろうか?」と考えることもありました。
別れた彼はお金持ちの息子でした。江美子さんにとっては“嫌な奴”でしたが、名門大学を出て大手企業に勤めていたので、今頃は部長クラスになっているのではないか? 年収も2000万円くらいになっているのではないか? と、つい考えてしまいます。
娘がいることを話せば理解をして、金銭的な援助をしてくれるかもしれない。そんな目論見のようなものも江美子さんにはありました。
その背景には、自分自身もいつこの世を去るかわからないこと、財産もないので子どもに残せないことなどの大きな負担があります。
これから婚活をして新しいパートナーを見つけるよりも、元恋人を探し出して、事情を話した方がいいのか? と悩んでいました。
