では、実際のアメリカ経済が50bp利下げを必要とする状況か、みていきましょう。まず、この動画で何度も紹介しているウィークリーエコノミックインデックスです。これは労働市場や生産、消費に関する10種類の日時及び週次の経済指標からアメリカのGDP成長率を週次で推計するもので、これまでも実際のGDPとの高い相関を持っていることが分かります。GDPが四半期に一度しか発表されないのに対し、この指標は毎週アップデートされるため非常に有益です。尚、ダラス地区連銀が公表していますがあくまでもこれは全米ベースの指標です。これによれば、8月14日時点で米経済は前年比2.5%成長を維持しており底堅く推移しています(11ページ)。

 

 

また、この10種類の指標の中から、消費に関連するレッドブックの同一店舗小売売上高の推移を見てみましょう。これはレッドブックリサーチが毎週発表しているもので、商務省の小売売上高の80%をカバーしています。但し、ネット販売は弱含んでいません。これによりますと、7月は前年比で概ね5%から6%台の伸びを示しており、先ほど発表された小売売上高がまずまずの結果だったことと整合的です。因みに、8月第1週のデータまで公表されていますが、7月を上回る高い伸びを記録しており、やはり9月に50bpの利下げを必要とするような状況とは言えません(12ページ)。