株価5年ぶり4000円を一時回復

太平洋セメントの株価が回復傾向です。コロナ後は世界的な金融緩和から、株式市場は全体的に上昇します。しかし、太平洋セメントは逆行して軟調な展開となっていました。2022年5月には1861円の安値をつけます。

しかし、23年に入ると上昇トレンドとなりました。24年5月には、19年4月以来に約5年ぶりに4000円台を一時回復します。苦戦の国内セメント事業が4期ぶりに黒字化し、業績の拡大を期待した買いが入ったと考えられます。その後、日本株式市場の急落やトランプ関税ショックなどで値を下げますが反発し、現在は3709円で取引されています(25年10月2日終値)。

【太平洋セメントの株価チャート(過去5年間)】
・株価:3709円(25年10月2日終値)

太平洋セメントの株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

安値圏を脱したものの、PBR(株価純資産倍率)は0.64倍と、目安の1倍を大きく割り込みます。太平洋セメントのPBRは19年3月期末に1.1倍を維持していましたが、以降は1倍を下回る状況です。

【太平洋セメントのPBR(25年10月2日終値)】

・1株あたり純資産(自己株式除く):5758.86円
・PBR:0.64倍
・(参考)東証プライムPBR:1.5倍(2025年9月)
※純資産および株式数は25年3月末
※東証プライムPBRは加重平均

出所:太平洋セメント 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料

太平洋セメントは、PBR1倍超の早期回復を掲げ「国内事業の再生」と「グローバル戦略」に取り組む方針です。それぞれの内容に迫りましょう。