今期も最高益予想、国内値上げがフル寄与 米国は年後半に回復見込む

最後は業績の見通しです。今期(26年3月期)は増収増益を見込みます。国内セメントで25年4月に実施の値上げが通期で寄与し、全体をけん引する予想です。ただし、米国事業は減益を見込みます。25年1月に買収した米グライムスロックの貢献で販売数量は伸びる想定ですが、トランプ関税をリスク要因として織り込み、減益の予想としました。

【太平洋セメントの業績予想(26年3月期)】

・売上高:9500億円(+6.0%)
・営業利益:850億円(+9.3%)
・純利益:600億円(+4.5%)
※()は前期比
※同第1四半期時点における同社の予想

出所:太平洋セメント 決算短信

第1四半期は増収減益でした。売上高が前年同期比1.1%増、営業利益が同8.9%減で着地しています。国内セメントは値上げなどから営業利益が前年同期比2.1倍と好調だった一方、海外セメントは米国を中心に同75.4%減と苦戦しました。米国は悪天候および金利高止まりの影響から、需要が減速した模様です。米国は年後半から回復を予想するなか、値上げにも取り組み、収益の押し上げを目指します。