次に今週の主要通貨の対ドル変化率です。スウェーデンクローナよりも左側の5通貨がドルに対して上昇しています。但し、最も対米ドルで上昇したポンドの上昇率が1%未満ですから、強いドル安だったわけでもありません。また、ポンドに次いで円がドルに対して上昇した背景に投機筋のポジションが挙げられます(8ページ)。

 

 

IMMポジションを投資主体別にみますと、ヘッジファンドなどを含むレバレッジドファンド勢は7月に入り、円ロングから円ショートに振っていたことがわかります。実際、この時期、ドル円は150円台を回復するなど勢いよく上昇していました。しかし、7月雇用統計を受け、ドル円の続伸が阻まれたことから足元ではレバレッジドファンド勢の円の買い戻しが誘発されやすい状況と考えられ、しばらくドル円の上値は重そうです(9ページ)。

 

 

ここでベッセント財務長官の発言に対するFRB高官発言を紹介します。まず、サンフランシスコ地区連銀のデイリー総裁は、50bp利下げはFRBが緊急性を認識しているとの誤ったメッセージを発する可能性に懸念を表明しました。そこまでアメリカ経済が悪いとはみていないということです。因みに、デイリー総裁は7月雇用統計を受け、9月利下げに傾いた総裁ですが、さすがに50bp利下げは不要との立場です。

また、セントルイス地区連銀のムサレム総裁も同様です。9月のFOMCでどのような政策を支持すればいいのか分からないとしつつ、50bpの利下げは支持されないとの見方を示しました(10ページ)。