第45回マーケットトークです。今日のテーマは「ジャクソンホール前の論点整理」です。ジャクソンホールとはカンザスシティー地区連銀が毎年8月下旬に開催する経済シンポジウムです。その開催地に因んで、単にジャクソンホールと呼ばれ、市場関係者からの注目を集めています。今回はアメリカの利下げ開始時期と近いことから、いつにも増してそこでパウエル議長が何を語るのか、注目されてています。

では、8月11日週のドル円相場を振り返ります。今週のドル円は総じて上値の重い値動きでした。週初は米中関税交渉の期限が11月まで先送りされる事が正式にアナウンスされ、リスク選好の円売りによってドル円も148円台後半まで上昇しました。但し、アメリカの7月消費者物価指数がインフレ懸念を和らげ、一転してドル売りが優勢となりました。また、ベッセント財務長官が9月のFOMCにおける50bpの利下げを示唆した上、日本の利上げにも言及したことからドル円の下落が勢いづき、146円台前半まで下落しています。その後、アメリカの生産者物価指数が予想を大きく上回ったことから、利下げの織り込みが後退してドルが買い戻されました。ただ、148円付近での戻りの重さが確認されました。また、先ほど発表されたアメリカの7月小売売上高はまずまずの結果でしたが147円台では上値も重く、現時点では147円近辺で推移しています(2ページ)。
