米騒動で豹変した義妹の“お願い”攻撃

ところが、“令和の米騒動”から義妹の態度が急変。いきなり母に電話をかけてきて、「お義父さんとお義母さんのお米で作ったおにぎりを実家の母に食べさせたら、『こんなお米は食べたことがない』と感動していました。実家にも分けてあげたいので、よろしければ、もう少し送っていただけませんか?」と頼み込んできたのです。

お人好しの母が義妹の実家の分も合わせて米を送ると義妹の“お願い”はさらにエスカレートし、今年に入ってからは既に100kgを超える米を都合してやっています。最近は米不足で取引先の事業店や個人のお客様から「少し余計に分けてもらえませんか?」と言われることもしばしばです。本来なら他に売れた米なので、私が「代金や送料を払ってもらったら?」と進言すると、母は「身内からお金は取れないでしょ」と笑っていました。

「農家の親戚はいない」衝撃の一言

思いがけない電話があったのは、そんな時でした。都内在住の若林と名乗る女性は、電話を取った私に切々と訴えました。

「知人からいただいたお宅のお米が本当においしくて、普段はお米をあまり食べない子供たちも喜んで食べていました。知人は『新潟のお米農家に特別なつてがあって買っている』と言っていたのですが、『うちにも分けてもらえるようにお願いできないかな?』と頼んだら、『そういう人がたくさんいるから無理!』と言われてしまいました。今日も子供から『お母さん、あのお米が食べたいよ』と言われて、ダメ元で袋に印刷してあった電話番号におかけしたんです」

直接取引をしている個人のお客様もいるので、最初は若林さんの「知人」はそのお客様のどなたかだと考えていました。わざわざこうして電話をくださったのですから、倉庫に置いてあるお米をお譲りしようと思い、住所を伺ったら、なんと弟と同じマンションでした。すぐにピンと来てさりげなく義妹の名前を出すと、「そうなんです。マンションの理事会で知り合って、年齢が近いので仲良くさせていただいてるんです」と話してくれました。

私の方から義妹の名前が出たことで、親しい間柄だと思ったのかもしれません。若林さんは「お宅と名字が同じなのでご親戚なのか尋ねたら、『農家の親戚はいない』と言っていて……。彼女とはいつ頃からのお付き合いなんですか?」と尋ねてきました。

「そうですね、かれこれ7~8年になりますかね」と淡々と返しながらも、ふつふつと怒りが込み上げてきました。「農家の親戚はいない」って、じゃあ、私たちはあなたのなんなんですか、と。