様子がおかしい
美希が晩ご飯にカレーを作り、友樹を食卓に呼んだときのことだ。
「飲み物は何にする?」
「あ、じゃあ、お茶ある? 暖かいのが良いんだけど」
美希は思わず友樹に聞き返した。
「えっ⁉ お茶⁉」
「……いや何だよ。別にいいじゃん。ちょっと肌寒いし」
確かに秋から冬に移行している時期ではある。ただ冬でもお構いなしにコーラやオレンジジュースなどを飲んでいるのを知っているため、美希は友樹の言葉に驚いていた。
とはいえ、甘いモノを少しでも控えてくれるのは健康の面からしても悪いことではないので、美希はそれ以上何も言わず暖かいお茶を出した。友樹もほんの少しだけ感覚が大人になったのかななんて思っただけでこのやり取りを終えていた。
しかし友樹の異変はそれだけで終わらなかった。