夕方、美希は晩ご飯の準備をするために冷蔵庫のドアを開ける。結婚して8年。このルーティーンも体に染みついている。冷蔵庫の中には卵やお肉、豆腐などが入っているが、少し変わっているのが一区画を全てスイーツで占められているところだろう。
ちなみに美希はあまり甘いモノを食べない。このスイーツは全て夫の友樹のものだった。
友樹はとにかく甘いモノが好きな人だった。お菓子、アイスそれらは家に常にストックとして置いてある。仕事終わりにはコンビニに寄って新商品をチェックし、良さそうなものは必ず買って帰ってきていた。
それだけ甘いモノを常に摂取しているにもかかわらず友樹は全く太らない。33歳という年齢で下っ腹が出てきてもおかしくないのだが、出会ったときと変わらない体型を維持している。
もちろん見た目だけではない。糖尿病になるよ、とそれとなく注意はしているものの、毎年の健康診断の結果はいつも良好なのだから不思議だ。
しかし最近、そんな友樹に変化が起こっている。