信用金庫でのセット商品との出会い
勤務先では65歳まで雇用延長ができるので元気なうちは働くつもりですが、ここに来て気になっていたのが退職金のことでした。小さな会社ですから、退職金と言ってもせいぜい1000万円程度です。とはいえ私にとっては初めて手にする大金。大切な老後資金ですし、当面使う予定はないので、何らかの金融商品に預けようと考えていました。
そんな時、年末に送金のために立ち寄った信用金庫で勧められたのが、スーパー定期と投資信託に半分ずつ預けるセット商品でした。聞けば、スーパー定期は金利が2%、投資信託は値動きがあるけれど運用がうまくいけばスーパー定期をはるかに上回る利益が期待できるとのことでした。
低金利時代に会社員生活を送ってきた私からすれば、スーパー定期の2%すらびっくりで、日本銀行の利上げ効果を実感したものです。それなのに、アメリカや日本の株が好調な今は、そうした株式に投資する投資信託の方がもっと高い利益が見込めるというのですから、これは申し込まない手はないと思いました。
夫から鼻で笑われ、商品のことを調べると…
同い年でやはり3月に定年になる夫の分もパンフレットをもらって意気揚々と家に帰りました。そして、夫に「これお得だから、お父さんもやったら?」とパンフレットを見せたら、なんと、夫から「お前、本気でこんなの買おうとしてるのか? 金融機関に鴨が葱を背負って来たと思われるぞ」と鼻で笑われたのです。
これにはカチンと来ました。良かれと思ってパンフレットをもらってきてあげたのに、その言い方はあまりにあまりです。コロナ禍から積み立て投資を始めた夫はそこそこ儲かっているらしく、最近はいっぱしの投資家気取りで経済音痴の私のことをバカにするのです。
「そのセット商品がどうしてダメだか教えてやろうか?」とあくまで上から目線で持ちかけてきた夫を、「結構です!」と突っぱね、自室でスマートフォンを使って「スーパー定期」「投資信託」「セット商品」「ダメ」で検索をかけました。すると、個人のサイトなどで「ぼったくり」とか「合法的詐欺」といった言葉が次々と出てきたのに驚きました。
その中に、「なぜスーパー定期と投資信託のセット商品は買うべきでないのか」と題し、客観的で分かりやすい批評をしている人がいました。それがファイナンシャルプランナー(FP)の永沢さんでした。