死亡一時金が支給される
一方、義人さんは60歳で会社を退職し、その後、3年ちょっと国民年金の任意加入被保険者となり、保険料を納付しました。その保険料納付期間が合計36月以上ありました。そして、義人さん自身が65歳になっておらず、老齢基礎年金を受け取っていませんでした。
また、生前、障害基礎年金も受け取っていませんでしたし、18歳年度末までの子がいることで支給される遺族基礎年金についても、子は20代のため、対象になりません。
国民年金保険料の納付が36月以上あって、国民年金制度からの基礎年金は発生していないことにより、洋子さんに死亡一時金が支給されます。今回の場合、死亡一時金の額は12万円となります。
夫亡きあとの今後の生活
こうして死亡一時金も請求することになった洋子さん。
「死亡一時金は知らなかった。夫は老齢基礎年金を受け取る前に亡くなりましたけど、要は国民年金保険料の掛け捨て防止なのですね」「払った分の少しでも一時金として戻ってくるなら……」と死亡一時金の趣旨を理解しました。
死亡一時金は一時金ですので1回限りの支給、それも12万円ですが、義人さんの死亡後の手続きなどで必要な費用に少しでも充てられそうでした。
遺族厚生年金は洋子さんの再婚などがなければ継続的に支給され続けます。65歳以降は中高齢寡婦加算がなくなり、洋子さん自身の老齢基礎年金、老齢厚生年金、そして老齢厚生年金相当額を差し引いた遺族厚生年金(108万円-洋子さんの老齢厚生年金で計算)の合計で今後の年金生活を計画することになるでしょう。
年金や一時金はその種類ごとに支給条件が細かく定められています。何が支給されるかは年金記録などで変わってくることになるでしょう。
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