「2025年は新年早々、ブラックマンデー級の家計ショックに見舞われた」と嘆くのは高木康二さん(仮名)。住宅関係の専門商社に勤務して25年になる高木さんは家族で大阪に住んでいますが、帰省した都内の実家で80代のお父さまがいきなり相続の話を持ち出したのだそうです。

高木さんのお父さまは元メガバンカー。会社は違いますが同じ銀行員となったお兄さま一家と二世帯住宅で暮らしています。高木さん自身は勤務先の給料がなかなか上がらず息子さんの大学進学資金にも窮した状態ですが、お父さまからはそれなりの遺産相続ができるはずで、それを元手に中古マンションでも購入すれば老後は何とか暮らしていけるだろうと考えていました。

ところが、お父さまが示した遺産分割案は想定外の内容でした。もともとお父さまは優秀な内孫(高木さんの甥っ子)に甘く、少なからぬ援助をしてきました。それを面白く思っていなかった高木さんの奥さまはこの遺産分割案を聞いて怒りを爆発させ、今は家庭内別居のような状態が続いているのだとか。高木さんに事の経緯を聞きました。

〈高木康二さんプロフィール〉
大阪府在住
48歳
男性
会社員
パートの妻、高校生の長男と3人暮らし
金融資産180万円(財形貯蓄や企業年金は除く)

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私は住宅関係の専門商社で働く会社員です。入社して25年、営業職で全国の支店を転々としてきましたが、5年前からは大阪支社勤務となり、市内の賃貸住宅に妻と高校生の息子と暮らしています。実家は都内にあり、15年ほど前に二世帯住宅に建て替えて父と兄一家が住んでいます。