優秀な兄と劣等生の自分…同い年の子どもにも差が出始める

兄は成績優秀で、現役でSランクの大学を卒業し、勤務先こそ違いますが父と同じ銀行員になりました。一方、私は一浪してDランクの大学にやっと滑り込んだ劣等生です。

親の遺伝子の差か、ともに今年18歳になる兄の息子が都内の有名私立高で東大進学を目指しているのに対し、うちの息子は偏差値50の府立高校でサッカーに明け暮れる毎日です。息子はバレーボールの選手だった妻に似て運動神経は悪くなく、部活ではエースナンバーの10番をつけているようです。しかし、そもそも府大会の2回戦止まりの弱小チームなので、サッカー推薦で大学に行けるわけではありません。

父が出来のいい内孫の甥をかわいがり、塾や短期海外留学、中高一貫の有名私立校の学費などを援助しているのは知っていました。それでも、うちの息子が中学や高校に進学した際には結構な祝い金を送ってきたり、来阪した時には息子を高級焼き肉店に連れていってご馳走してくれたりしていたので、まぁ仕方ないかという感じではありました。

しかし、相続となると話は別です。

私の勤務先は薄給で、社宅や住宅手当などの福利厚生もほぼないに等しいこともあって、家計に余裕がありません。息子が中学校に入学してからは妻がパートで働くようになりましたが、それでも、特にここ数年は光熱費や食費、家賃などが大きく上昇する中で給料は一向に上がらず、貯金もできない状態です。

息子の大学進学を控えているのに学費すら満足に用意できず、息子は健気にも「家から通える大学を選んで、学費は奨学金で払う」と言っています。

大学の学費さえ貯められないのですから、住宅資金や老後資金などもっての外です。

最近は定年退職した先輩方から「給料やボーナスが入ってくるだけまだまし。年金生活は厳しいぞ」という嘆き節をよく聞きます。私の勤務先は転勤が多く“家無し”のまま老後に突入する人が少なくありませんが、これがまた厄介なのだそうです。高齢者に貸してくれる家主は少なく、子どものいない先輩などは保証人が見つからず、保証会社に費用を払ってようやく入居できたという話でした。

とはいえ、我が家の場合はいざとなったら親の金で何とかなるのではという思いがありました。