<前編のあらすじ>

短時間のパート勤務をする洋子さん(仮名、以下同、58歳)は64歳で夫の義人さんと暮らしていました。義人さんは4年前の60歳の定年を機に退職、そのあとは機械関係の技術者として自営業となりました。

義人さんは大学生の頃、国民年金に未加入だったため、洋子さんに勧められるまま60歳から国民年金へ任意加入し、国民年金保険料を3年ちょっと納付しました。「保険料はかかったけど、これで夫の基礎年金は満額になりそう」と洋子さんも安心します。

義人さんは64歳になり、自営業で仕事をしつつも年金生活が始まります。しかし、特老厚を受給し始めて数カ月たって、義人さんが64歳で突然亡くなりました。

洋子さんが手続きのため年金事務所へ向かうと、職員に遺族年金とは別に一時金が出ると聞き驚きます。

●前編:【“国民年金未加入”の時期があって将来の年金額が心配…老後の計画を立て始めた夫婦が最初に取り組んだ対策】

厚生年金から遺族厚生年金がまず支給

義人さんは大学卒業後から60歳まで会社員を続けていたため、厚生年金に30年以上加入していました。そのため、義人さんが亡くなったことにより、洋子さんには遺族厚生年金が支給されるようになります。

義人さんの老齢厚生年金(報酬比例部分)の4分の3が遺族厚生年金として計算されます。義人さんの報酬比例部分は144万円でしたので、その4分の3は108万円となります。まず、この108万円が支給され、そして、洋子さんは65歳未満のため、遺族厚生年金に中高齢寡婦加算61万円程度が支給されることになります。合計すると169万円になります。