家事が一段落して、サブスクで映画でも観てしまおうかとソファに腰を下ろしたとき、希美のスマートフォンが鳴り響いた。
画面を見ると中学から30年来の友人である沙織だった。お互いに専業主婦だったので昔はよく遊んだりもしたが、沙織に子どもができてからは、特にこれといって連絡を取り合うようなこともなくなっていた。
珍しいなと思い、希美は電話に出た。
突然友人からの連絡
「もしもし、希美? 急にごめんね。今大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ。どうかしたの?」
「いやちょっと心配になって電話をかけたんだけど」
沙織の言葉に希美は首をかしげる。
「心配? 何が?」
「希美の実家でボヤ騒ぎがあったじゃない?」
「ええっ⁉」
思わず希美は大きな声を出してしまった。
「……え? もしかして希美は知らなかったの?」
「う、うん。全然聞いてなかった……。それっていつのことなの?」
「昨日だよ……」
どうしてそんなことを知っているのかと言いかけて、沙織は実家をリフォームして両親と住んでいるのだったかと思い出す。
「……ボヤってどれくらいなの?」
「ごめん、私も詳しくは分からないんだ。だから希美に聞こうと思って連絡をしたの……」
それだけ聞いて希美は礼を告げて電話を切った。
実家でボヤ騒ぎがあったということに衝撃を受けつつ、希美は母である佳恵に電話をかけた。しかしどれだけかけても留守番電話になる。
希美は大きくため息をついた。
