積立投資で「やってはいけないこと」とは何か?

つみたてNISAの普及に伴って広く浸透した積立投資だが、実は、忍耐力が試される投資方法である。思うように結果が出ないと嫌になって止めたくなるし、反対に、順調に含み益が増えると今度は下落が怖くなって利益を確定したいという衝動に駆られる。

積立投資で、「下がってもとにかく続けることが大切」と言われるのは、積立投資では、開始当初よりも終盤期の成績の方が、資産の増え方に与えるインパクトが大きいためだ。コツコツと積立を続けて増やした口数を、終盤期にいかに効果的に最終的なリターンにつなげられるか。これこそが、積立成功のための秘けつである。

積立を始めた途端、思うように結果が出なくても焦る必要はない。市場環境によっては、利益が積み上がっていることを実感するまでに、2~3年の年月を要することもある。コツコツと積立を続け、最終的に上昇局面で積立を終えて売却する、というのが理想の形である。

別の角度から見た場合、下落局面で焦って積立を止め、売却することはくれぐれも避けたい。せっかく積み立てた口数が、終盤期の成績によって台無しになってしまうためだ。プロの投資家にはない、個人投資家に許された最大のアドバンテージは「時間」である。急落時こそ焦らず、どっしり構えて、再び上昇に転じるのを待つことが得策と言える。