60代後半の過半数が働き続けている現実

65歳以上の就業状況は大きく変化している。働く人の数(就業者数)は21年連続で増加し、就業率も明確に上昇している。内閣府が2025年6月に公表した「令和7年版高齢社会白書」から2014年との比較を見ると、以下のようにいずれも高い伸びが見られる。

65歳以上の就業率…2024年(2014年比)

•    65~69歳…53.6%(13.5ポイント上昇)
•    70~74歳…35.1%(11.1ポイント上昇)
•    75歳以上…12.0%(3.9ポイント上昇)

年齢階級別就業者数及び就業率の推移を表した図表
 
出所:内閣府「令和7年版高齢社会白書」
 

これらの結果は、単なる長寿社会ではなく「より長く働く社会」への移行を象徴している。特に65~69歳の就業率の伸びは、かつての60歳定年あるいは今般、増加傾向にある65歳定年といった年齢を超えても何らかの雇用形態で働き続けている実態を表している。