高齢者世帯の所得は全世帯の約6割

2025年7月4日に厚生労働省が公表した「令和6年 国民生活基礎調査の概況」では、高齢者世帯と他の世帯の平均所得額が分かる。そしてその内訳を見ると、顕著な違いが存在する。

まず全世帯では、働いて得る所得である「稼働所得」が72.9%と圧倒的に高く、「公的年金・恩給※」は21.0%。一方で高齢者世帯では、公的年金・恩給が63.5%と全体の約3分の2を占め、稼働所得は25.3%にとどまる。

※旧制度の公務員年金等

各種世帯の所得の種類別1世帯当たり平均所得金額を表した図表
 
出所:厚生労働省「2024(令和6)年 国民生活基礎調査の概況」
 

高齢者世帯の主な収入源は公的年金で、全世帯とは収入構造が大きく異なる。さらに所得金額そのものも全世帯の平均536万円に対し、高齢者世帯は314万8000円と約6割の水準だ。

総所得が最も多いのは「児童のいる世帯」約820万円

世帯別に見ると、収入構造の違いがより鮮明になる。高齢者世帯以外の世帯の平均総所得額は666万7000円。また、児童のいる世帯は同820万5000円と最も高い。両世帯とも稼働所得が86.1%、92.8%とほとんどを占める。

一方で、高齢者世帯の総所得平均額は314万8000円で、高齢者世帯以外の世帯の約5割、児童のいる世帯の約4割の水準だ。

なお、高齢者世帯の所得の構成割合をみると「公的年金・恩給」が200万円で最も多く63.5%を占めている。次いで「稼働所得」が79万7000円(25.3%)、「仕送り・企業年金・個人年金等・その他の所得」18万9000円(6.0%)、「財産所得」が14万4000円(4.6%)となっている。