強い上昇トレンド 好業績で買い集まる
サンリオの株価が強く上昇しています。5年間の上昇率は973.8%と、実に10.7倍にも値上がりしました。
上昇は24年2月ごろからペースが早まります。当時(24年3月期)の業績予想の上方修正に際し、買いが集まったようです。その後、同年11月には金融機関による保有株式の売り出しから急落しました。しかし買い戻しの動きが強く、結局24年は1年で182.7%(2.8倍)の上昇と強い相場のまま取引を終えました。
25年もおおむね好調です。2月には再び業績見通しを引き上げ、株価は同月に上場来高値となる7315円まで上昇しました。その後、トランプ関税ショックで一時5328円まで下落したものの反発し、6月に7000円台を回復します。現在はやや調整し、6100円台での取引です。
【サンリオの株価チャート(過去5年間)】
・株価:6167円(2025年7月16日終値)
サンリオは利益率の高さに強みがあります。25年3月期で営業利益率は35.8%、ROE(自己資本利益率)は48.6%にも達します。これは東証プライム(全産業)のそれぞれ7.02%と9.44%をはるかに上回る水準です。対資本でも高い収益性を持つことから、「JPXプライム150指数」にも採用されています。
しかし、以前はこれほどの高収益企業ではありませんでした。営業利益率およびROEは1ケタ台が続き、コロナ禍では赤字も経験しています。
サンリオは、なぜ高い利益率を実現できるようになったのでしょうか。背景に迫ります。