10年来の安値圏 薬価の引き下げが米国でも懸念
エーザイの株価は安値圏に沈んでいます。21年6月は上場来高値の1万2765円まで買われますが、22年6月に5011円まで急落しました。23年6月に1万1250円まで反発したものの、買いが続かず、その後は右肩下がりの状況です。現在の株価4000円前後は、2014年10月の安値(4073.5円)を割り込みます。
株価が長期に苦戦する理由の1つが、薬価の引き下げ圧力です。従来は原則2年に1回だった薬価の改定が、2021年度以降は実質的に毎年実施されるようになりました(中間年改定)。また、米国では25年5月にトランプ大統領が薬価を引き下げる方針を示しています。売り上げの減少につながるとの思惑から、医薬品株には逆風となっています。
【エーザイの株価チャート(過去5年間)】
・株価:4001円(2025年6月5日終値)
エーザイはPBR(株価純資産倍率)基準で「JPXプライム150指数」に選ばれています。純資産に対して株価が高い、つまり投資家の支持が厚いことが評価されている格好です。医薬品の主要銘柄だけに、今後が気になっている人は多いと考えられます。
今回はエーザイに焦点を当てます。同社の概要と、次のけん引役となる新薬「レケンビ」を押さえましょう。さらに、足元の業績と見通しについても解説します。