次の柱「レケンビ」EUが一転して承認で主要市場をカバー 26年度に黒字化へ
エーザイの次の主力として期待されるのがレケンビです。米バイオジェンと共同開発したアルツハイマー病の治療薬で、23年に米国や日本で承認を受けました。両地域で先行して販売したほか、24年6月には中国でも販売を開始します。
レケンビの売り上げは急拡大しています。25年3月期は前期比400億円増の443億円となりました。期首で掲げた目標565億円には到達しなかったものの、修正後の目標425億円は上振れています。増加はアメリカス(北米)が中心で、増収額は主力のレンビマ(同309億円増)を上回ります。
【レケンビの売上収益(2025年3月期)】
・全体:443億円(前期比+400億円)
・日本:127億円(同+123億円)
・アメリカス:261億円(同+223億円)
・中国:47億円(前期はゼロ)
出所:エーザイ 決算参考資料
レケンビの売り上げは引き続き増加が見込まれます。承認を獲得した地域が拡大しているためです。25年4月には欧州委員会から承認を受けたことで、欧州30カ国が加わりました。26年3月期の下期にはドイツとオーストリアでの販売を計画します。現在、承認は44カ国に達し、12カ国で申請中です。今期(26年3月期)はグローバルで765億円の売り上げを目指します。
レケンビについては当初、欧州は承認に否定的な見解を示していました。しかし、一転して承認されたことから、主要市場のすべてで販売できる体制が整いました。さらに、一部の地域は需要の拡大期に入るとエーザイは見込みます。エーザイはレケンビへ経営資源を集中させ、27年3月期までの黒字化を計画します。