株価は5年前と同水準

三菱マテリアルの株価は低迷しています。2023年には緩やかな上昇トレンドが出現し、24年5月には3352円の高値をつけました。しかし、以降は一転して下落傾向となり、25年4月には1930円の安値まで売られます。

現在はやや反発した2200円台で取引されていますが、株価の5年騰落率はプラス1.8%と、5年前と同水準にとどまります。同期間に日経平均株価は77.9%上昇しており、パフォーマンスの劣後が顕著です。

【三菱マテリアルの株価チャート(過去5年間)】
・株価:2267円(2025年7月10日終値)

三菱マテリアルの株価の動きをグラフで表した図表(過去5年間)
 
出所:Tradingview
 

純資産から見ても、三菱マテリアルの株価は低水準です。PBR(株価純資産倍率)は0.44倍と、株価は純資産の半額以下にとどまります。純資産は株式価値の裏付けであり、その半額に満たない株価は、一般に投資家の期待が小さいことを意味します。

【三菱マテリアルのPBR(2025年7月10日終値)】

・1株あたり純資産(自己株式除く):5183.34円
・PBR:0.44倍
・(参考)東証プライムPBR:1.4倍(2025年6月)
※純資産は2025年3月末
※東証プライムPBRは加重平均

出所:三菱マテリアル 決算短信、日本取引所グループ その他統計資料

三菱マテリアルの株価低迷は、業績の苦戦が背景にあると考えられます。今期(26年3月期)は減収減益見込みで、特に利益は大幅な悪化の予想です。

なぜ三菱マテリアルは苦戦しているのでしょうか。業績の推移から探ってみましょう。